Notesから移行する7つのメリット―その3:保守・サポート切れのため、問題発生時の対処ができないことを考える

IBM Notes/Domino(以下、Notes)における7つの課題について紐解いていきながら、その解決策となる「サイボウズ ガルーン(以下、ガルーン)」のメリットを連載形式でお伝えする第三回目。今回は、バージョンごとに仕組みが大きく変わってしまうことで保守・サポートが切れてしまい、何かあったときの対処に苦慮しがちなNotesの課題について、ガルーンではどう対処しているのか、またそのサポートにおける評価について詳しく見ていきます。


業務の俗人化を招くNotes DBの限界

○エンドユーザコンピューティングを可能にしたNotes

企業における業務基盤として広く普及しているNotes。全社規模で情報共有が可能なグループウェアとしての機能が備わっていることはもちろん、システムに精通した方であれば独自の業務プロセスをシステムに実装できるということが大きなメリットの1つです。つまり、Notesはエンドユーザコンピューティングを実現するためのプラットフォームの1つであり、単なるパッケージ製品ではありません。多くの企業がNotes DBを駆使して様々な業務フローを個別に実装しており、現場が使いやすい環境を整えているのです。

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メールや予定表など標準的な機能だけでなく、Notes DBで業務に必要なアプリケーションが構築可能

○Notes DBの作り込みで古いバージョンでの運用を強いられる

ただし、部門ごとに独自のNotes DBを構築してしまうと、便利な反面その拡張性や保守性は著しく低下します。Notesの場合、バージョンごとに実装されている機能が異なるケースがあり、あるバージョンで作成したアプリケーションが新しいバージョンのNotesではうまく動かない、ということが少なからず発生します。そのため、新たなバージョンがリリースされても古いバージョンのままのNotesを動かさざるを得ないことも多く、ある業務は古いバージョンのNotesで、ほかの業務は新たなバージョンのNotesで動かすといった、複数のNotes環境での運用を余儀なくされているケースもあるほどです。作り込まれたNotes DBがきちんと動くことが最優先され、どうしても新たなバージョンへの対応が遅れてしまうのです。また、作り込まれたNotes DBは作成した本人でないと追加や変更が難しく、業務が属人化してしまい、現場の運用が硬直化することにもなりかねません。

○保守・サポート切れのNotesを使い続けると...

保守・サポートが切れた状態でも古いバージョンのNotesを使い続けることは、当然ながら一定のセキュリティリスクを伴います。例えばセキュリティパッチの適用が必要なインシデントが発生した際など、Notesに何かあった場合でもベンダー側では対応が難しくなってきます。また、運用負荷も大きく膨らみ、いずれどこかで新たな環境への移行を迫られることになります。古いバージョンのNotesを仮想環境上に"塩漬け"状態にし、必要な時だけ利用するといった、非常に手間のかかる運用を行っている企業も存在します。多くの企業がクラウド環境で新たな情報基盤を再構築したいと考えるのは、十分に検証を重ねながらサービス側でバージョンアップが行われるため、移行について心配する必要がなくなるということも1つの大きな理由です。

クラウド版ガルーンを選ぶメリット

大規模向けのグループウェアとして多数の導入実績を持つガルーンであれば、情報基盤として必要な機能が網羅された環境を、クラウドサービスとして利用可能です。またクライアント環境はWebインターフェースとなっており、WebブラウザさえあればクライアントOSが新たなものに移行したとしても、従来の環境のまま使い続けることができます。クラウドサービスを利用すれば、基本的にはシステムの運用保守はすべてサービス側の責任で行われ、バージョンアップを含めた保守、メンテナンスのコストを大きく削減することができるようになります。

クラウドで不要になること.PNG
ランニングコストの単純比較だけでなく、トータルコストを比較することでクラウドのメリットが明らかに

たとえセキュリティポリシー上クラウドサービスが利用できず、オンプレミス環境での利用であっても、ガルーンではメジャーバージョンアップが行われてから古いバージョンのサポートは4年間継続されます。古いバージョンから新しいバージョンへの移行はスムーズで、過去の実績を見る限りバージョンアップに対応できなかったケースは発生していません。もちろん、オンプレミス環境からクラウド環境への移行も容易となっており、ビジネス環境の変化によってシステム移行を余儀なくされる場合でも、スムーズにクラウドへの移行パスが用意されています。

○サイボウズに対するサポートへの評価

サポート体制についてもガルーンおよびサイボウズは高く評価されています。パートナー企業との緊密な連携を積極的に行いながら、実際に現場の声として寄せられたユーザーの疑問点や要望をすべてデータベースに登録、次期製品の開発にも役立てるなど、ユーザの声に耳を傾ける活動にも力を注いでいるのです。

「オペレータは感じの良い方ばかりで、抽象的な説明でも即座に状況を把握し、的確なアドバイスをいただいており助かっている」

「これまで他社の種々の電話でのサポートサービスを利用してきたが、サイボウズのオペレータのみなさんは、電話対応、言葉づかい、状況の把握、問題解決能力、代替案の提案等いずれをとっても極めてレベルが高い」

「他メーカーの『売ったら終わり』のスタイルとは違い、サポート面で充実しているのは導入担当者として心強い」

これらは、実際にユーザーから寄せられたサポートに対する評価の声です。IT系のメディア調査による顧客満足度調査でも、グループウェア部門で長年1位を獲得しており、充実したサポート体制が「顧客満足度No1」の下地を作っているといえるのです。

まとめ

中長期的な視点に立てば、どんな製品であってもいずれはバージョンアップせざるを得ない場面が訪れます。その際に大きな負担とならないよう、十分なサポート体制が維持できる環境を今のうちから考えておきたいところです。その意味でも、クラウドサービスがとても魅力的なものだということがお分かりいただけるはずです。

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てんとまる社 酒井 洋和