時代の変化にあわせて、グループウェアのスマートフォン活用を考える
2013.05.21
スマートフォンを取り巻く環境の変化
サイボウズでは2010年からスマートフォンアプリ「サイボウズ KUNAI」を提供しておりますが、利用対象者が大きく変化していることを実感しています。
・2010年のスマートフォン利用シーン
こちらは2010年1月に「サイボウズ ガルーン」「サイボウズ Office」のユーザーを対象に行ったアンケートの結果です。
2010年時点でスマートフォンを業務で利用しているユーザーはわずか7%。検討中のユーザーを合わせても15%しかいませんでした。
そこで、私たちはスマートフォンをビジネスで利用するメインターゲットを経営者などいわゆるビジネスリーダー層と分析し、ビジネスリーダーが利用するためのスマートフォンアプリとして「KUNAI」をリリースしました。
このとき、重要視していたのはモバイル環境でさまざま情報入手を可能とするほか、その場でワークフローの承認も行えるようにすること。ビジネスリーダーによる「解決」「決断」「決裁」を"三決"とし、どこにいても、三決が行える。これにより業務スピードが圧倒的に向上し社員も助かる、という構図で展開を進めていました。
▼参考:2010年2月のプレスリリース記事
http://group.cybozu.jp/news/10020801.html
・2013年のスマートフォン利用シーン
さて、2013年現在はどのように変化しているでしょうか。携帯電話保有者のうちスマートフォンを使っている人の割合は、5割を超えているとも言われています
これほどスマートフォンが普及してくると、一般社員を含め幅広くスマートフォンを使うことで新たな活用効果を期待できると考えるのが当然です。実際に「ガルーン」を利用されている企業からもスマートフォン活用に対する興味が高まっていることが伺えます。それが顕著に現れている数字がこちらです。
2012年8月に実施した「ガルーン」ユーザーアンケートにて52%の企業がモバイル端末で「ガルーン」を利用しており、そのうち42%がスマートフォンでの利用という結果がでました。スマートフォンの業務利用が増えてきていることがわかります。
このように、スマートフォン端末の急激な普及により、スマートフォンのビジネス活用が新たなステージに向かっている状況を感じながら、私たちが提供するスマートフォン専用アプリ「KUNAI」も定期的にバージョンアップしています。
スマートフォン専用アプリ「KUNAI」の開発手法
今回はバージョンアップ検討時に実施する市場調査の手法を交え次期版「KUNAI」について共有させていただきたいと思います。
まず市場調査をする場合いくつかの方法がありますが、今回は普及率50%超の現代におけるスマートフォン活用のユースケースを改めて洗い出したかったので、フォーカスグループという手法を取りました。
フォーカスグループとは
フォーカスグループとは、定性的研究の一種であり、ある製品/サービス/コンセプト/宣伝/アイデア/パッケージについて人間の集団に考えを質問する手法としてマーケティングリサーチで使われる。グループ対話形式で自由に発言してもらう。
「フォーカスグループ」(2013年5月16日 (木) 14:00 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』
http://ja.wikipedia.org/wiki/フォーカスグループ
性別、職種、役職などの属性ごとに1グループ5名を5グループに分けて、日々のスマートフォン活用シーンやビジネスで利用する際の目的などを聞き、最後にはサイボウズで用意した「KUNAI」の次期版ユーザーインターフェイスのサンプル 7種類を見ながら業務でグループウェアをスマートフォン活用する場合にフォーカスしてどのような活用目的でどういった画面構成・機能セットが望まれるかをディスカッションしてもらいました。
その結果、スマートフォンのビジネス活用は仕事の内容や立場により重視すべき活用目的は分散していることがわかりました。
フォーカスグループ結果
- スマートフォンアプリのホーム画面は、会社・業種・個人の活用方法によって表示して欲しいもの(スケジュールやメール、あるいは、通知)が違うため、ユーザーは、個々に必要な情報がホーム画面に表示されることを望んでいる。
- ホーム画面には、スケジュール一覧を好むユーザー、メール一覧を好むユーザー、アプリケーション一覧を好むユーザーが分かれる。ただし、どのユーザーにとっても、重要な通知はホーム画面で確認でき、見落としがないようにすることが重要。
スマートフォンという限られた画面サイズの中で機能を表現する側としてはユースケースが多様化しているのは非常に難しく感じましたが、この結果を受けて止めて、次期版「KUNAI」では多様化した活用目的にあわせて個人が画面カスタマイズできる機能を追加しています。
まずはiPhone版からAppStoreの申請がとおり次第、5月中には提供開始できる見込みとなっております。
ぜひご期待ください。