セキュリティに関する依頼の「進捗管理と催促」:依頼する/される側の課題と解決方法とは?

「OSの緊急アップデートが必要です」というようなセキュリティ関連の通知を出しても、一度だけでは全員が対応してくれないことが多いですよね。
エクセルで未対応者を洗い出し、何度もメールやチャットで催促して対応状況をチェックする...。社内通達後の「進捗管理や催促」に時間をかけている人は多いはず。

そこで今回は「進捗管理や催促」が大切な理由や課題を解説した後に、より進捗管理がしやすくなるおすすめの運用方法をご紹介します!kintoneit_3_1.png

以前の記事では「社内通達」をより効果的にする方法をご紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください。

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全社周知で進捗管理が大切な理由

セキュリティに関する重要通知の社内周知で、全社員の進捗管理は欠かせません。
進捗管理がうまく機能していないと、アップデートが未対応で、セキュリティの脆弱性が解決されないまま放置される可能性があります。その結果、ウイルス感染や情報漏えいなどのセキュリティリスクが高まってしまいます。
そうすると、原因の調査・報告、復旧や事後対応などリカバリーの業務が必要になります。
全社員の対応状況をしっかり把握することで、トラブルの発生や業務の増加を防止できます。

「進捗管理や催促」での課題

セキュリティに関する社内通達を出したあと、メールやエクセルで行う進捗管理や催促には課題があります。課題の種類を対象者の「依頼する側」と「依頼される側」、内容の「業務的負荷」と「心理的負荷」に分けて以下で説明します。

依頼する側の課題

  • 業務的負荷
    • メール作成や対応に時間がかかる
      メールを見落としたり後回しにしたりする未対応者には、何度も通知する必要があります。未対応者が多いと、催促メールの作成や対応にかなりの時間がかかります。
    • ツールを跨いだ進捗管理が非効率
      メールで進捗状況を確認し、エクセルに入力して管理していると、作業が二重になります。その結果、入力漏れや記載ミスが発生しやすくなります。
  • 心理的負荷
    • 催促メールの送受信で不安
      催促メールの文面を作成することがストレスな人もいます。メールをきちんと送信できたか、返信が埋もれていないか不安になることもあります。

依頼される側の課題

  • 業務的負荷
    • メールを見落としがち
      メールでやりとりすると、通常業務のメールに依頼メールが埋もれてしまいます。そうすると知らないうちに未対応者になってしまいます。
  • 心理的負荷
    • 対応できていなかった時の申し訳なさ
      催促メールを受け取ると、依頼者の時間を使わせてしまったことに申し訳なく感じ、ストレスを感じることがあります。

「進捗管理や催促」を効率化するポイント

上記の課題を解決するためのポイントを以下でご紹介します。

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  • リマインドする時間を決める
    Benchmark社の調査によると、仕事用のアドレスで業務以外のメールを読む時間として一番多いのは「12時~15時台(25.8%)」です。「~9時台(23.8%)」「10時〜11時台(16.9%)」が続きます。
    このように、お昼休みや通勤時間、午前の業務が一段落した時間でメールを確認する人が多そうです。この時間を狙ってリマインドすると、依頼される社員が催促メールに気づけるようになります。

  • 依頼する部署ごとに取りまとめる担当者を設定する
    依頼者だけで全社員の進捗状況を確認するのは、相当時間がかかります。依頼者と全社員の間に1人取りまとめる担当者をつけるだけで、やりとりする人数が部署の数だけにおさまります。この時の担当者は、部署のマネージャーなどメンバーに対して権限がある人にすると効果的でしょう。

  • ツールを活用する
    エクセルやメールを使った進捗管理では、依頼する側は「未対応社員を洗い出す」や「何度もメールを送信する」といった作業を人の手で行います。これらの業務を一気通貫で行えるツールを活用することで、依頼する側の業務負荷を軽減させることが期待できます。
    さらに、ツールでリマインドも行うと心理的負荷をなくせます。たとえば、依頼する側は「表現に気をつけて催促しないと...」依頼される側は「依頼者に手間をかけてしまい申し訳ない...」とならずにすみます。
    このようにツールを活用すると、業務的負荷のみならず心理的負荷の解消が期待できます。
    それでは、具体的にどのようなツールがおすすめか次でご紹介します。

セキュリティに関する全社周知の「進捗管理や催促」でおすすめなツール

「進捗管理や催促」でノーコードツール「kintone」がおすすめです。

kintoneとは
kintoneをはじめて聞いた!あまり知らない!という方は以下をご覧ください。
はじめての方へ。キントーンとは

実際に、瀬戸内海沿岸地域でスーパーマーケットチェーンを運営する株式会社ハローズ様は、kintoneで進捗管理を行っています。コンプライアンス管理のための誓約書モニタリングでは、以下のアプリで誓約書の内容の説明・確認・提出といった進捗を管理しています。

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それでは、なぜkintoneが「進捗管理や催促」でおすすめなのかを以下でご紹介します。

  1. 自動で通知してくれるから、催促の負荷が軽減!
    リマインダー機能
    kintoneは設定した条件に応じて必要なタイミングで通知を受け取ることが可能です。リマインドする時間を決められるので、社員が気づきやすい時間にリマインダーを出すとよいでしょう
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  2. 担当者とステータスを設定できるから、進捗管理 が楽!
    プロセス管理
    業務フローに沿った担当者とプロセスを設定できるので、作業状況の管理を簡単に行えます。対応した社員がステータスを変更すると同時に依頼先のユーザーに通知がいきます。
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  3. 一覧画面で進捗の見える化が可能!見落としも防止!
    指定した条件で絞り込んだ一覧を手軽に作成できます。「アップデート対応が未完了」や「ステータスの対応者が自分」のものを一覧に表示するように設定すると、作業漏れの防止につながります。
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    プロセス管理で担当者に割り当てられた社員のポータルには、「未処理一覧」に作業が表示されます。これにより、自分が対応すべき作業をすぐに把握できます。


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    ステータスが更新された時だけでなく、レコードが編集された時やコメントが書き込まれた時もメールで通知を受け取れます
    そのため、わざわざkintoneを開かなくても通知が漏れずにすみます。

  4. コミュニケーション機能もあるからツールを跨ぐ必要なし!
    コメント機能
    データに紐づくコメント機能で、ツールを跨がずに連絡ができます。コメント欄を活かせば、一画面内で依頼に関する質問などコミュニケーションが取れます。
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  5. ひな型があるからすぐに始められる!

    部署、業種別にひな型を作成した「サンプルアプリ」を無料でご提供しています。そのまま使うのはもちろん、組織にあわせて設定やデザインが変更可能です。
    本記事で載せているキャプチャは、サンプルアプリの「作業依頼申請」を使用しています。他にも「お知らせ配信」や「障害対応管理」など活用できるアプリが豊富にあります。

    それでは、kintoneを使った「進捗管理や催促」の運用方法の一例をご紹介します!

kintoneで「進捗管理や催促」を効果的に行う方法の一例

今回は各部署のマネージャーを取りまとめ役に設定して、依頼者である情シスと各部署のマネージャーでkintoneを活用します。情シスの対応する人数が、全社員から各部署のマネージャーの数だけに抑えられます。さらに、「アルバイトや業務委託にはできるだけライセンスを付与したくない」という場合でも問題ありません。

依頼者である情シスと各部署のマネージャーでkintoneを活用する方法は以下です。

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たとえば、情シスの依頼者は「セキュリティ対応依頼アプリ 」を作成し、各部署のマネージャーごとにレコードを登録します。レコードには依頼内容や期日、対象者を記載するとわかりやすいでしょう。kintoneの「プロセス管理」を活用し、各マネージャーを次の担当者にしてステータスを「依頼中」にします。依頼を受けたマネージャーが、各メンバーに連絡してそれぞれから対応状況を報告してもらいます。全員の対応が完了したら、マネージャーはステータスを「報告」に変更して依頼者に完了報告を行います。

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また、各部署のマネージャーが忘れないように、リマインド通知を設定するのも効果的でしょう。リマインドのタイミングは、対応期日の1週間前や前日で、社員が気づきやすい時間がよさそうです。

このように、担当者を設定しつつ、kintoneを活用することで、効率よく進捗管理や催促ができます。

「専用ツール」ではないからこそ応用できる!

kintoneは「業務改善アプリ」です。専用ツールではないからこそ、組織にあわせた運用が可能です。さらに、項目を追加したりプロセスを変更したりするだけで「人事部の健康診断予約管理」や「経理部からの請求書督促」といった他部門の業務でも活用できます!

終わりに

今回はセキュリティに関する社内通達後の、"進捗管理や催促"についてご紹介しました。「社内通達」についても気になる!という方はぜひ以下から記事をご覧ください。

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