ワークスタイル変革!IT活用で在宅勤務を推進

政府が示す新たなIT(情報技術)戦略の最終案によると、現在1割程度の在宅勤務の導入企業数を2020年までに現在の3倍に増やす政策が盛り込まれるそうです。

雇用形態の多様化とワーク・ライフ・バランスの実現
○就業継続が困難となる子育て期の女性や育児に参加する男性などを対象に、労働者にとって、やさしい、週一回以上、終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワークの推奨モデルを産業界と連携して支援、2016年までにその本格的な構築・普及を実現
○2020年には、テレワーク導入企業を2012年度比で3倍、週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者の10%以上とし、第一子出産前後の女性の継続就業率を55%(38.0%(2009年))、25歳から44歳までの女性の就業率を73%(現在、66.8%(2011年))まで高める。               
(出所:高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/

10%未満の普及率とまだまだこれからの在宅勤務ですが、政府が後押しすることで興味を持つ企業も増えそうですね。

サイボウズの在宅勤務事例

実は、サイボウズでは2010年から在宅勤務制度を取り入れ、月4回まで全社員が取得することができるようになりました。この効果が確認された現在では、働く場所と時間の制限をなくした"ウルトラワーク"にチャレンジしています。

ウルトラワーク@カフェのイメージです

ウルトラワーク@カフェのイメージです

★ご参考:サイボウズの人事制度についてコラボレーションとITの情報サイト「サイボウズ式」で詳しくご紹介しています。

 ▼なぜサイボウズは、働く「時間」と「場所」の制約をなくせたのか?
 (前編/後編

このウルトラワークは実施ケースも多く、私の所属する部門のメンバーも社外から業務に取り組む日を効果的に使っています。
例えば企画書に集中したい、原稿を進めたいなど個人の業務を効率的に進めたいとき。外出の多い日は訪問先から自宅に戻り、自宅パソコンから業務を継続することで時間を効率的に使えます。また、グループでのミーティングも場所や環境を変えることで、より効果的に実施できることを実感しています。
業種や職種に応じて活用目的は様々ですが、それぞれの生産性を高めるために働き方の選択肢が増えることは従業員としても喜ばしいことです。

在宅勤務を支える情報システム

在宅勤務については、人事制度面にフォーカスがあたることが多いのですが、当然情報システムも整備しなければ効果的な実施はできません。
サイボウズ社内の例、そして在宅勤務システムで気をつけるべきポイントをご紹介します。

サイボウズ社で実際に使用しているシステム

1.社内コミュニケーション

会議スケジュールの調整、議論、ファイルの共有といった社内業務に必要な情報共有は自社サービスのクラウド版「ガルーン」(Garoon on cybozu.com)を利用しています。日々の業務に必要な社内コミュニケーションがここに集約されていることも在宅勤務が成り立ちやすい1つのポイントです。
もちろん、「ガルーン」はタブレット端末、スマートフォン経由からも利用できます。※接続セキュリティ対策は後述
社外で業務をしているメンバーを含む打ち合わせをする場合はWeb会議「V-CUBE ミーティング on cybozu.com」も活用しています。

2.稟議承認ワークフロー

稟議など各種申請を行うワークフロー。休暇申請などの簡易的なものを除き、ほぼすべての申請は「ガルーン」のワークフローで行われています。例えば、社判の必要な書類を発行する場合、押印申請ワークフローに社判の必要な書類のファイルを添付し、印鑑の種類によって必要な決裁権限を持つ決裁者が決裁後、押印の担当者が代理で押印して書類が発行されます。  
ワークフロー承認数の多い立場の人は外出時や社内の会議室移動中などにすかさずスマートフォンで承認対応をしていますので、承認スピードが非常に早いです。※接続セキュリティ対策は後述

3.業務用Webデータベース

社内FAQ、部署で必要なお客様リストやマーケティングデータの共有管理など、幅広く使われます。業務アプリケーションクラウドの「kintone」を使用することで、常に最新のデータをWeb画面上から複数人で活用することができます。
もちろん、「kintone」もタブレット端末、スマートフォン経由からの利用が可能です。※接続セキュリティ対策は後述

4.問い合わせ管理サポートシステム

お客様サポートはもちろん、ホームページからの問い合わせ、人事採用、広報窓口、販売パートナーなど社内のほぼすべての部門で受けるお問い合わせは、クラウド型メール共有システム「メールワイズ」(メールワイズ on cybozu.com)によって、管理共有されています。このシステムを利用することで、本社、拠点、自宅のどこからでも、お客様対応と対応履歴の共有、検索が行えます。

5.基幹システム情報へのアクセス

許可された一部のメンバーは基幹システムのWeb版へ接続することが可能になっています。

6.リモートデスクトップ

開発環境、経理システムなど特定のシステムについては、Webアクセスではなく個人パソコンへリモートデスクトップで接続する運用としています。こちらも業務上必要性の高い一部のメンバーのみが許可されている仕組みとなります。

7.セキュリティ保持

ここまでご説明した中で1.~4.までのシステムはすべて自社クラウドサービス「cybozu.com」上のものです。「cybozu.com」は、ログイン画面のURLが契約企業ごとに異なります。しかし万が一ログイン画面のURLを第三者に知られた場合を想定し、接続元IPアドレス制限を設定しています。この接続元IPアドレス制限を活用することで社内ネットワーク以外からのアクセスを完全に排除することができます。
この状態では社外ネットワークからセキュアにアクセスするために、「セキュアアクセス」という証明書オプションを活用しています。「セキュアアクセス(有償オプション)」はセキュリティ面でのメリットだけでなく、運用管理面での手間も少ないです。
運用管理面での課題で一番大きいのが、証明書を含む端末を紛失してしまったケースになるのですが、万が一そのようなことが起きても最低限の対応のみで全社運用に影響を与えません。「セキュアアクセス」の証明書は個人単位で発行ができますので、利用端末を紛失した場合、当人が使用していた証明書のみを無効にすることで、他メンバーには影響を与えずに紛失した端末からのアクセスを遮断することができます。

サイボウズ社で実際に使用しているシステム

在宅勤務支援システム導入で気をつけるべきポイント
セキュリティ 外部から侵入されにくく、侵入された場合でも大量のデータの抜き取りやデータ破壊されないこと
アクセスの容易さ セキュリティとの両立が難しいが、社員はどこからでもすぐに使えること
コミュニケーション性 社員同士のコミュニケーションが取りやすく、個々人に必要な情報にすぐにアクセスできること
タイムシフト性 海外とのやりとりだけではなく、サマータイムや土日シフト勤務などにも対応できること
業務包括性 社内の業務のなるべく多くの範囲を支援できること

在宅勤務環境の構築に限らず、時間や場所を問わず働ける仕組みが提供されていることは業務効率の向上や、緊急時のBCP対策として有効です。サイボウズのクラウド基盤「cybozu.com」は柔軟に、スピーディーに、そして安全に在宅勤務に必要な環境構築を支援します。

■在宅勤務を支えるシステムに関するご相談を受け付けております。詳しくはこちらまでお問い合わせください。

※2022年7月4日 お問い合わせのリンクを修正しました