情報共有をサービス品質・売上向上に繋げる
2013.09.20
複数の店舗を運営しているサービス業のお客様は、店舗と本社間で情報のやりとりが多く、情報共有の工夫をしている企業が多くいらっしゃいます。
今回は、主にグループウェア「ガルーン」で情報共有を行うことで、サービス品質の向上や売上向上に繋げている各社の取り組みをご紹介します。
サービス業のお客様が情報共有に求める効果は、「サービス品質の向上」と「売上向上」の大きく二つがあります。
具体的にどのような手段で実現しているのでしょうか。
サービス品質の向上
・店舗スタッフへの情報共有スピードの向上
・サービスとモチベーション向上のための成功体験の共有
・クレームなど、ネガティブな情報も共有するしくみ
・増える情報に重要度をつけて情報が埋もれないように伝える
売上向上
それでは、ひとつずつ見てみましょう。
店舗スタッフへの情報共有スピードの向上
店舗のスタッフやフランチャイズ店のオーナーとの情報共有、皆様はどのようにされていますか。
人数分のパソコン端末がない中で、多くの情報をどのように行き渡らせるかが課題になります。店舗では、端末数が限られているため「ガルーン」に掲載されている重要な情報は、プリントアウトして掲示し、店舗スタッフはお知らせを読んだら印鑑を押す、という活用方法が一般的です。これにより、複数の店舗スタッフが短い時間で確実に新着情報をチェックできます。
日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社様の場合
全国に「ケンタッキーフライドチキン」を約1,180店舗、宅配ピザの「ピザハット」を約370店舗展開しています。
「ガルーン」を本社や各店舗の店長、副店長、店長補佐との情報共有、フランチャイズ店のオーナーとの情報共有に利用しています。店舗では、「ガルーン」で受けた情報をプリンターで印刷して事務所に掲示しています。以前は各店に郵送でレターをわざわざ送っていたのですが、「ガルーン」を導入したことで配信の手間やタイムラグを劇的に解消できました。
サービスとモチベーション向上のための成功体験の共有
各店舗でのお客様からいただいたお褒めの言葉など成功体験を全社的に共有することで、サービス向上に一体となって取り組むことができます。自店舗の情報だけでなく、他の店舗で実施した良いサービスの共有が、全体のサービスレベル向上に繋がります。
株式会社 ABC様の場合
静岡県を中心にアミューズメント施設40店舗を展開しています。
「クレド」という自分で判断してよりよいサービスを提供するという取り組みを行い、毎日の朝礼では、そのクレドの唱和と合わせて、「デイリークレド」の紹介を行っています。
「デイリークレド」は、成功体験の共有です。お客様や同僚、家族から「○○してくれてありがとう」と言ってもらったという報告を募集しています。平均して1日2~3件×40店舗+本社分の件数が登録され、委託しているコンサル会社が良い事例のピックアップ。「ガルーン」に作成したクレドポータルに日替わりで反映されるようになっています。
クレームなど、ネガティブな情報も共有するしくみ
成功体験だけではなく、店舗で起こったクレームを本社に集めて把握し、問題があれば対応したり、他店舗にも注意喚起や対策の共有を行うこともサービス品質の向上には欠かせないことです。
しかし、通常失敗体験の公表は気が進まないこと。そこで、情報を投稿するフォーマットや、誰に報告するかなどのルールができていると効果的な情報共有を行うことができます。
株式会社 ジンコーポレーション様の場合
脱毛専門サロン「ミュゼプラチナム」を全国・海外で約160店舗展開、飲食店も関東中心に20店舗展開しています。
ポジティブなものだけではなくネガティブな体験も積極的に共有して、同じ失敗は他店でも繰り返さないようにしています。トラブルは義務として報告しなくてはいけない決まりになっており、小さいトラブルで判断に迷う場合でも、まずは報告するというルールがあるので、全店からサービスレベル向上に向けた情報が集まる仕組みとなっています。
店舗からのクレームや事故の報告は、「ガルーン」のマルチレポートを使って行っています。本部には、報告のあったマルチレポートをチェックして、重要度をABCで付ける担当が2名います。社長や専務が見る前に、ランク付けをすることで重要度の高いものや、対応スピードの求められるものを確実に対応することができるのです。重要度がAのものはどんな忙しくても、出張中でも、移動中でも、海外出張中でも絶対に見るようにし、それ以外のものは、余裕があれば見るという仕組みにしています。
増える情報に重要度をつけて情報が埋もれないように伝える
情報共有が促進されると必ず確認してもらわなくてはいけない通達から、できたら対応して欲しいお願いまで様々な連絡が混在し、情報が増えていきます。
そんな中で重要な情報を埋もれさせず、確実に伝達することが本社にとっても店舗にとっても大切になってきます。
情報が増えすぎてしまったときは、優先順位付けを行うことが有効です。情報に優先度を付けるときは、例えば、"重要な情報"は全スタッフに連絡が必須、"お知らせ"は店長が必要だと判断したときに他のスタッフに伝えること、というように受け取り手と発信者の間でルール作りをすることが成功の秘訣です。
成功する優先順位の付け方の例
・発信する側の工夫:情報を発信する担当者ではなく、管理職が重要度を判断して掲示する
・受け取り側の工夫:店長や、副店長、マネージャーが自店のスタッフにも知っておいてもらいたい情報かを判断して伝える
・当事者以外の第三者に重要度を判断してもらう
売上データや近隣の競合店の動向などエリア独自の情報の共有
全社共通の情報の他に、サービス業では店舗やエリア独自の必要な情報もあります。
売上データの集計や近隣の競合店の売上情報などをひとつのポータルに集約し、適切に店舗運営者に伝えることができるポータルが売上向上を目指す店舗経営にとっては欠かせない存在となっています。
株式会社サンセットコーポレイション様の場合
リサイクルショップ「エンターキング」を中心に直営の店舗31店舗、社員が独立したフランチャイズ店舗5店舗と情報共有し、「ガルーン」でポータルをいくつも作成して、情報を集約しています。各部の業務に合わせた部門ごとのポータルや、店舗では「店舗TOPポータル」をよく使っています。
「店舗TOPポータル」は、エリア独自の情報を集めた掲示板が表示されるように作ってあり、自店で関係のある情報だけを閲覧でき、POSデータから抜き出した情報を元に、ジャンルごとの販売買取実績レポートなどをExcelファイルにして毎日アップしています。
店舗に情報を浸透させ、活発に情報共有する工夫を行うことにより、サービス品質の向上や売上向上に貢献していると各社とも実感しているようです。
ここで紹介した「情報共有スピードの向上」、「成功体験・ネガティブ情報の共有」、「情報の優先順位付け」についてはサービス業でなくとも参考になる活用方法だと思います。
情報共有にお困りの方は、ぜひ一度サイボウズにご相談ください。
サイボウズ ガルーン アシスタントプロダクトマネージャー 小原