Square で実現するバックアップ体制 ~守る cybozu.com の裏側 (2) ~
2013.11.11
企業でクラウドサービスを利用する際、データの保全体制は事前に確認していただきたいポイントのひとつです。データセンターの運用方法や障害対応は、提供サービスによってそれぞれ特色があります。今回、全4回にわたりサイボウズのクラウド基盤「cybozu.com」がどのようにしてお客様の環境守っているかをご紹介いたします。サイボウズのクラウドサービスご検討の際に、是非ご参考ください。
cybozu.comご利用のお客様の環境はこちらの図のように、大きく4つの仕組みで成り立っています。第2回目の今回は、データセンターでのお客様データの管理方法についてご紹介します。
クラウドにて集約されたお客様の情報は、データセンターで管理されることになりますが、データセンターの所在地は公開されていないことが多く、その内部の仕組みについても大々的に公開している企業は多くありません。
しかしながら、クラウドサービスの選択において、データセンター運用方法をチェックしておくことは、リスクマネジメントの点から絶対に欠かせないものです。データのバックアップ体制や、障害対策を確認し、自分たちの保持している機密情報を、安心して預けることのできるサービスか判断できれば、クラウド化に乗り気でない社内の意見を説得する材料にもなります。
今回はクラウドサービスを提供している大手2社を参考にしながら、サイボウズのデータセンター運用の取り組みをご紹介します
・Google Apps
・Office 365
・cybozu.com
Google Apps、Office 365のデータセンター運用方法に関して
▼Google Apps
Google Appsのデータセンターは、北米の6カ所とベルギー、フィンランドの8カ所が位置公開されています。この8ヶ所に関しては、外観とデータセンター内部、そして中で働く社員の写真を見られるようになっています。
Google Appsのデータセンターの運用方法はセキュリティに関するホワイトペーパー内で詳細を知ることができます。Google Appsに含まれるアプリケーションは、「マルチテナント分散環境」で実行されます。これは各顧客のデータが1つのシステム環境に保存されるのではなく、すべての顧客のデータが、共有のインフラストラクチャ内に分散して保存される仕組みです。
Google Appsでは、多数のコンピュータに渡り大量のデータを保存できるよう設計された、分散ファイルシステムが採用されています。お客様のデータは分割された複数のシステムにまたがって複製されますので、これによって、1つのシステムがシステム全体の停止を引き起こしてしまうことを防いでいます。
Data Centers - Google
セキュリティに関するホワイトペーパー: Google Apps コミュニケーション/コラボレーション サービス
もっと詳しいことが知りたい方はこちらGoogle File System
◎Google Appsのデータ管理のポイント
・分散ファイルシステムの採用により、単一障害点を減らしている。
▼Office 365
マイクロソフトは世界中にデータセンターを持っていますが、Office 365 向けには、北米、南米、ヨーロッパ、アジア太平洋の各地域でデータセンターを利用していることが、公開されています。日本を含むアジア太平洋地域のお客様の情報は、シンガポールと香港にあるデータセンターで保存されます。
Office 365 に含まれる各アプリケーションは、離れた地域の2つのデータセンターに2セットずつ保持され、すべてアクティブとして自動切り替えで働く構成となっており、お客様データの同期が絶えず続くようになっています。また継続的にインフラストラクチャの改善を行い、各種オペレーションの自動化を進めています。
ネットワークについても、2系統のシステムを用意し、 L2 スイッチの下にぶら下がるサーバーの数を数千から20に減らしています。これによって、L2スイッチが故障したときの影響範囲を極小化し、単一障害点を減らしています。
Office 365で導入されているサービス信頼性を向上させる仕組み
Office 365サービスの継続性
◎Office 365のデータ管理のポイント
・ソフト、ハードともに冗長化を行い、データの同期が絶えず続くようになっている。
・オペレーションの自動化を行い、ヒューマンエラーを防いでいる。
サイボウズのデータセンター運用に関して
サイボウズは、東日本に3台1組によるストレージサーバー群を、西日本にレプリケーション用のサーバーを保持し、お客様のデータを管理しています。サイボウズのデータセンターは「Square」と呼ばれる4重のバックアップ体制を採用しています。
東日本のストレージサーバー群では、3台1組のストレージサーバー中、2台のサーバをリアルタイムでデータを冗長化させ、もう1台で、14日分の差分バックアップを保存しています。
もし万が一、リアルタイムレプリケーションをしている2つのサーバーのデータが、誤ってすべて消去されてしまった場合も、バックアップ専用のストレージサーバー3のデータにより、前日時点のシステム環境全体を復元することが可能です。毎日リストア試験をおこない、正常に復元できることも確認しています。
バックアップ専用のストレージサーバーで取得したバックアップデータは、西日本データセンターへ自動転送し、万が一東日本データセンターで大きな災害があったときに備えています。
つまり4つのサーバーによって、お客様のデータは守られております。これが『Square』の仕組みです。cybozu.comのサイトにも情報を載せています。
また、ストレージサーバーは1台につき12台のハードディスクで構成されています。そのうち10台をRAID 6で冗長化し、ハードディスクの故障によるデータ消失を防いでいます。
◎サイボウズのデータ管理のポイント
・4重のバックアップ体制でお客様のデータを管理。リアルタイムにデータを冗長化させ、かつ14日分のバックアップを保存している。
・国内の2カ所にデータセンターを保持している。
更なる取り組み~cybozu.comにおけるシステムのリストアに関して~
企業システムをクラウドサービスに移行する際、通常はシステム全体のリストアができなくなってしまうことが、懸念点として挙りやすいものです。
サイボウズ製品は、組織で使うことを想定して開発されているサービスですので、システム全体のリストアにも対応しております。
誤って組織の設定情報を削除してしまった、大事なポータルを削除してしまったといった、お客様側でのトラブルが起きた際も、お気兼ねなくお問い合わせください。
サイボウズ ガルーン プロモーション担当 大滝