イベントレポート「日本企業の海外展開と現地の苦悩」

2013年11月8日にサイボウズの自社イベント「cybozu.com カンファレンス 2013」を開催しました。

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▼cybozu.com カンファレンス 開催レポート

1,897名のお客様にお申し込みをいただき、基調講演登壇企業15社、分科会19 (ランチセッション含)を数え、 会場は大きな熱気に包まれました。今回は、その中から上海オリエンタルモーター株式会社の副総経理 管理本部長 稲垣邦彦様に上海よりお越しいただき、「日本企業の海外展開と現地の苦悩」~情シスから中国現地法人に異動して感じたこと、現地の悩みは何か?~と題して、「Garoon」で解決できたことや日本のシステム部門に求めることなどをお話いただいた分科会をレポートします。

A-3  -4612【上海オリエンタルモーター株式会社の副総経理 管理本部長 稲垣邦彦様】

中国の実情とは?

まずは、上海に赴任し稲垣様が実際に体験した中国の現状について、具体的な例を交えながらお話いただきました。
赴任前に日本で情報システム部門の部長をされていた稲垣様は、中国語がほとんどわからない状態で2011年2月に上海へ赴任されました。2011年3月11日の東日本大震災やタイの洪水を上海で経験され、その他尖閣問題、反日デモ、鳥インフルエンザやPM2.5など赴任直後から様々な災難に直面されました。さらには、中国語の難しさ、日本では考えられない安全な食事をするための苦労、歩行者軽視の交通事情など、メディアでもしばしば伝えられているような数々の日本とは違う状況に大変困惑されたそうです。
また、ITの面での困惑も多くありました。ネットワークが不安定であること、Great Firewallの問題など、むしろ社会的なインフラが整っている「日本こそが特殊環境である」とお話されていました。

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中国はクラウドと相性がよい

中国の現地法人は100名以下の小規模であるため、IT部門を持っていないことが一般的です。システムは総務部や管理部の方が兼任したり、専任の担当の方がいても1名であることが多く、管理コストを削減できるという観点からクラウドが適しています。また、中国の現地法人では、事業を数名で立ち上げ、その数ヶ月後に数十人規模に増員したり、撤退してしまうということも珍しいことではありません。これらの理由からも、規模や人数の変化に柔軟に対応できるクラウドとの相性がいいと言えるでしょう。

オリエンタルモーター様スライド【ITと業務の成熟(コモディティ化)とクラウドについてのスライド】

2008年のリーマンショック以降、世界全体のITにおいてレガシー資産の償却がトレンドとなり、「持たないIT」へとシフトしています。特に変化が激しい中国では、状況に素早く対応するためにも、システムを所有せず身軽でフットワークを軽くしておくことが、大きな長所となります。

ITも業務も成熟しコモディティ化した今の時代、少なくとも各種リソースに限りのある海外現地法人ではインフラやシステムは極力自社で保有せず、ベンダーが提供しているクラウドサービスを使い、ビジネスプロセスだけを自社で行うことが効果的なのではないかと稲垣様はお話されていました。

稲垣様は日本でリーマンショックを経験され、その当時のご自身の経験が中国赴任後も役に立っていると言います。

「Garoon」の活用

上海オリエンタルモーター様では、「Garoon」をご利用いただいています。
「Garoon」を活用するメリットは、「短期間ですぐに使えること」。勤怠や出張費などの申請に「Garoon」のワークフローを活用いただいてますが、1ヶ月程度で運用開始できたそうです。中国では、時間をかけずに効率的に導入することが重要となります。「秀吉の一夜城」を例にお話されていましたが、完璧なものを時間をかけて自社で開発・構築するよりも、多少運用でのカバーが必要であったり、改善がその後必要になっていくものでも、短期間で運用に乗せていくことが中国のスピード感にはマッチしているとおっしゃっていました。クラウドサービスを使えば、コンプライアンスの証明も自社システムを構築するよりも簡単です。
また、Webさえ繋がればどんな環境からでもアクセスし、仕事をすることができるので利用範囲が広がります。他にもメリットとして、保守やバージョンアップ、サポートなどの管理コストを削減できること、IT資産を経費化することにより組織の拡大や縮小などの変化にすぐに対応できること、国土が広い故に出張することが多いため、出張先からもiPhoneやiPadなどスマートフォンやタブレットの活用ができること、をメリットとして挙げていっしゃました。

講演を聞いたお客様の感想

現地での実際のご経験とITの知識に基づく大変具体的なお話に、分科会に参加いただいたお客様からも「リアルな中国の現状がわかった」との声を多くいただきました。変化が激しい中国の環境にもすぐ対応でき、管理のコストも軽減できる「Garoon」は海外拠点のニーズにマッチしており、ご好評いただいているようです。

海外の現地法人での導入実績も多数ございます。
ぜひ、海外の現地法人での情報共有についてお悩みの場合は、サイボウズにご相談ください。

上海オリエンタルモーター株式会社

精密小型モーターの輸入・販売を行っており、オリエンタルモーター株式会社の100%出資。ここ数年で、中国国内拠点は3拠点から10拠点に急拡大。中国全土のお客様へ、高品質な製品とサービスを積極的に提供し続けています。

■上海オリエンタルモーター様のGaroon活用事例はこちら

 


サイボウズ ガルーン アシスタントプロダクトマネージャー 小原