もう迷わない!グループウェア移行の進め方(1)検討編

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「Windows Server 2003」のサポート切れが近づいていますが、このタイミングでグループウェアのリプレイスを検討されている方も多いのではないでしょうか。 以前「Notesから「ガルーン」への移行メリット」をまとめて紹介しました。他社グループウェアの販売終了の流れを受け、サイボウズのグループウェアをご検討いただくお客様が増えています。しかし、いざサイボウズ製品の導入を決めていただいても、移行に際して何をすればいいか分からない、という声をお聞きすることもしばしば... そこで今回は、グループウェアをリプレイスする際に、どのような流れで進めていけばいいのか、サイボウズのシステムコンサルタントの浅賀が、全3回かけてご紹介します!

グループウェア移行が決まったら...

グループウェア移行にチェックすべきポイントとしては、以下の2点が挙げられます。

1.機能が移行できるか

まず大前提として、既存のシステムと同じ機能を満たすことが求められます。製品が異なるため、全く同じ機能やUIを再現することは厳しくなりますが、既存システムで重点的に利用されていた機能を移行後も同じように使えることは、移行に際して重要なポイントとなってきます。

2.データが移行できるか

既存のシステムを長く使っていた場合、貴重な情報が蓄積されているため、データの移行の可否についても重要度が高くなってきます。

では、それぞれのプロセスを解説をしていきます。

1.機能移行

機能移行の検討は、「機能のFit&Gap」→「詳細比較」→「実現できない機能の対応検討」という3段階のステップを踏んで行っていくことをおすすめします。

1)機能のFit&Gap

まずは移行先グループウェアの機能が、企業のビジネスやシステム化のニーズに適合するかどうか分析(Fit&Gap分析)を行います。 機能単位で製品の比較を行っていき、旧システムで使っていた機能の移行先となる新システムの機能を決定します。  例)旧システムの「予定」機能は 「ガルーン」の「スケジュール」に置き換える データ連携やシングルサインオンといった、他システムとの連携をグループウェアで行っていた場合、同様のことを実現できるか確認も必要です。  

2)詳細比較

次に、新システムを熟知したスタッフによる旧システムの調査や、エンドユーザーにヒアリングし、詳細な機能の比較を行います。 旧システムの各画面を触りながら、新システムのどの機能に該当するか、もしくは該当する機能がないかリストアップを行います。システムの仕様が不明な場合は、ユーザーに利用状況を確認します。ユーザーにヒアリングをすることで、そもそも機能を使っていない事実が判明することもあります。 ユーザー情報のメンテナンスといった日々の運用も、同様の手順で確認します。  

3)実現できない機能の対応検討

「機能のFit&Gap」→「詳細比較」というステップを踏み、移行をした結果「実現できなくなる機能」が見えてきます。 運用による回避策を探すカスタマイズで対応する別製品と組み合わせて実現するといった方法を、それぞれの機能に対して検討していきます。 機能に関しては、実現できないことがクローズアップされがちですが、新たなシステムの機能によって改善できる業務もありますので、その点も含め調査しましょう。   例)「ガルーン」にしか搭載されていない「スペース」機能が活用できそう     旧システムでは実現できなかったシングルサインオンが実現できる

2.データ移行

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機能に関する移行検討が終わった後は、データ移行の検討に移ります。まずは、データの移行が必須となる機能を洗い出します。異なる製品間のデータ移行は難易度が高く、コストとスケジュールを考えると、なるべく対象を絞ることが望ましいです。移行の対象が絞りきれた後に、移行の可否や調査に移ることで、滞りなくプロセスを進めていけます。 データの優先度は、企業によって様々ですが、掲示板のような通達用途の過去データは、失われても問題ないと考え、移行しないことが多いです。 逆に、ノウハウが蓄積されているファイル管理のデータや、Eメールのように個人に紐づき、社外とのやりとりが蓄積されているデータは、移行の優先度が高くなります。 スケジュールや掲示板は、コストを下げるために旧システムと新システムとを並行稼働させて、徐々に情報を引き継いでいくお客様も多いです。 データ移行の可否に関しては、以下の点を確認しましょう。

・移行元システムからデータを出力できるか

 ー出力できる場合のデータ形式  
 ー出力単位(ユーザー単位か全ユーザーまとめてか)
 ー出力する方法(手作業での出力かバッチ等による自動化が可能か)

・移行先システムにデータを入力できるか

 ー入力できる場合のデータ形式
 ー入力単位(ユーザー単位か全ユーザーまとめてか)
 ー入力する方法(手作業での入力かバッチ等による自動化が可能か)

データ形式が異なる場合、プログラムの開発や、手作業での方法といった、変換方法の検討も合わせて行います。さらに、新システムにおけるサイジング(サーバーのディスク容量)への考慮も欠かせません。 「サイボウズ ガルーン」、「kintone」では、各機能においてCSVのインターフェース、APIを搭載しており、データの取り込みが可能となっています。

・Garoon APIについてはこちらをご覧ください

・kintone APIについてはこちらをご覧ください

移行元システムからデータを出力できなかったり、コストや移行期間が見合わない場合は、移行元システムを参照用として残す場合もあります。参照用として残すだけでもライセンス費用が発生するシステムもあるため、注意しましょう。

まとめ~グループウェアの移行が決まったら、まず取り組むべき2つのこと~

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○機能移行に関する検討

1.機能のFit&Gap

移行先のグループウェアの機能が、企業のビジネスやシステム化のニーズと適合するか分析します。

2.詳細比較

新システムを熟知した人間による旧システムの調査や、エンドユーザーへのヒアリングで、より詳細な機能比較を行います。

3.実現できない機能の対応検討

運用でカバーするのか、カスタマイズで対応するのか、といった方法を機能ごとに検討します。またこのタイミングで、新たに実現できる機能についても調査することをお勧めします。

○データ移行に関する検討

1.データを移行する機能の決定

データ移行対象を絞り込むことで、その後のプロセスがスムーズになります。

2.移行の可否の調査

データの入出力可否や、データ形式が異なる場合の変換方法、新システムのサイジングへの考慮などの調査が必要になります。

最後に、意外と忘れてしまいがちなのが、クライアントへの展開方法にも触れておきます。グループウェアの移行後、ブラウザの設定変更やブラウザのショートカットの配布、クライアントツール(リマインダー等)の配布をどうするのかも、検討項目に入れておきましょう。

次回からはカスタマイズ、データ移行について解説します。

グループウェア移行に関するお問合せはこちら

※2022年7月4日 お問い合わせのリンクを修正しました

サイボウズ システムコンサルタント 浅賀 功次