Notesから移行する7つのメリット―その7:Notes技術者の退職でメンテナンスが困難になること、自社に合わせたカスタマイズで開発コストがかかることを考える
2016.11.21
IBM Notes/Domino(以下、Notes)における7つの課題について紐解いていきながら、その解決策となる「サイボウズ ガルーン(以下、ガルーン)」のメリットを連載形式でお伝えする第七回目。最終回となる今回は、アプリケーション開発基盤であるNotesだからこそ必要な開発人材の確保や開発コストの課題について見ていきます。
【Notesから移行する7つのメリット:バックナンバー】
その1:多様な利用シーン(外出先、自宅、モバイル、等)への対応を考える
その2:サーバーの老朽化、データ量増加に伴うレスポンス低下や障害発生を考える
その3:保守・サポート切れのため、問題発生時の対処ができないことを考える
その4:独自システムのため、他システムと容易に連携できないことを考える
その5:端末入替えに伴うNotesクライアント設定、個別端末環境に応じた問い合わせなど、対応負荷の増加を考える
その6:DBが多くなり、欲しい情報が取り出せないことを考える
その7:Notes技術者の退職でメンテナンスが困難になること、自社に合わせたカスタマイズで開発コストがかかることを考える
専門的な人材の確保やアプリケーション開発コストが必要なNotes
アプリケーション開発基盤であるNotesを利用する場合、自社の業務要件に合わせてシステム開発が必要です。メールやカレンダー機能など標準で活用できるアプリケーションも備わっていますが、ディレクトリ機能やデータベース機能など、アプリケーション開発を前提に実装された機能が多く、業務に活用できる環境を整備するにはアプリケーション開発が伴ってきます。このアプリケーションは情報システム部門のみならず、業務部門であっても知識を持っていれば開発することが可能です。まさに、エンドユーザコンピューティングのツールだといえます。
ただし、Notesでアプリケーション開発を行う場合、一般的なWeb技術に関する知識よりも、Notes専門の知識やノウハウが欠かせません。Notes DBの考え方やIBM Domino Designerを用いての開発など、専門的なスキルが必要になります。そのため、アプリを開発した本人が異動や退職をしてしまうと、その業務を引き継いだ人ではメンテナンスが難しくなり、機能改修ができなくて困っている、というケースが散見されます。仕組み自体が完全に属人化しており、ちょっとした改修も難しくなってしまうというのが現実のようです。
一般的なシステム開発ならいざしらず、Notesの場合は業務部門が作成したアプリケーションも多く、結果として仕様書が存在していないケースがよくあります。誰が見てもわかるような作りにはなっておらず、実際には作った本人でないとそのアプリの構成も把握できないのです。Notesアプリを使い続けるためには、貴重な専門人材をわざわざ確保し続けなければなりません。市場の変化が激しい今の時代にあって、柔軟に改修できないような仕組みは避けたいところでしょう。また、Notesアプリは自社に合わせたカスタマイズをしながら開発を進めていくことになり、どうしても開発コストがかかります。業務プラットフォームとしてNotesを利用するのであれば、自社の運用に合わせたカスタマイズが必須です。必要な機能を開発するための期間も必要となり、初期に導入したときには想定されてない開発工数が、メンテナンス時に必要になることも。業務の基盤として利用するからには、長期的な視点でメンテナンス工数も含めたトータルの費用をしっかり考えておきたいところです。
パッケージ製品のメリットを生かしたガルーン
業務で利用する標準的な機能が豊富に備わったガルーンであれば、現状の業務に必要な基本的機能はパッケージとして提供されており、わざわざカスタマイズすることなく日々の業務に役立てることができます。専門的な人材を確保し続けることもなく、定期的な機能改修やパッケージそのもののバージョンアップはベンダー側で対処してくれるため、無駄なコストが発生しにくい環境にとなるはずです。