新入社員受け入れ担当者必見!可視化と標準化による効率化テクニック
2024.07.03
毎年の新入社員受け入れ時期は業務負荷が大きく、頭を悩ませる情シスの方も多いのではないでしょうか。
PCキッティングを始めとする新入社員の受け入れ業務は、多くの企業で定期的に行われる作業であるにも関わらず、非効率性や属人化といった課題を抱えていることが多く、改善の余地が大きい領域です。時期柄、組織改編と重なることも多く、業務負荷が増大します。
新入社員の受け入れ業務の効率化は、業務プロセスの可視化と標準化がキーワードです。なお、可視化と標準化は、新入社員の受け入れ業務に関わらず、業務プロセス効率化のファーストステップともいえます。
本記事では、新入社員受け入れに関わるPCキッティングとその周辺業務の効率化を例に、業務プロセスの可視化と標準化の方法、役立つツールをご紹介します。
また、サイボウズ情シスでの新入社員受け入れ業務について、実際の画面もお見せしながらご紹介します。
新入社員受け入れ業務のよくある課題
新入社員の受け入れ業務では、以下のような課題を抱える情シスの方が多いようです。
- 全体の進捗が分かりづらい
業務の多様性から全体の進捗把握が難しく、納期遅延や問題対応の遅れにつながる可能性があります。ほとんどの場合、入社日は固定されているため、確実な進捗管理と納期管理が求められます。
- PCセットアップに時間がかかる
大量のPCを短期間でキッティングして設定する必要があり、OSのインストール、セキュリティ設定、ソフトウェアのインストールなど、時間のかかる作業が山積みです。外注する場合も、設定内容を決める、マスタPCはこちらで用意するなど、事前準備が必要になります。また、人事情報の遅れや突発的な要求により、他部署起因の遅延も発生しがちです。
- 作業が属人化している
新入社員受け入れ業務は広範囲で手順化が難しく、属人化しやすい傾向があります。また、全国情シス実態調査2023(株式会社インターネットイニシアチブ)によると、業務の属人化は情シスの課題のトップであることが分かっています。
- アカウント作成や権限付与のフローが複雑
アカウント作成の手順が定義されておらず、担当者の暗黙知に頼っているケースがあります。トラブルがあると新入社員の業務に影響が出るだけでなく、情報漏洩などのリスクがあります。
- 人事や受け入れ先からの情報収集が大変
人事情報の共有が遅れたり、組織改編と重なり混乱することがあります。また部署や役職によって必要なアクセス権限や設定が異なり、個別のニーズへの対応を求められます。
- IT資産管理の不備で無駄な時間とコストが発生
IT資産の管理が不十分な場合、使える遊休資産を見つけるのに時間がかかります。また、使える資産があるにも関わらず余計に購入することになり、無駄な出費が生じる可能性があります。
解決のポイント:可視化・標準化
これらの課題を解決し、業務を効率化するにはどうすればよいでしょうか。新入社員の受け入れ業務のように、作業や関係者が広範囲に渡る業務における効率化のポイントは、「可視化と標準化」です。
例えば今回のテーマである新入社員の受け入れ業務では、他部署との調整、PCセットアップなどテクニカルな作業、研修の提供、というように業務範囲は多岐に渡ります。
全体の進捗を可視化するためには、まず業務フローを作成し、それぞれのステータスを見える化しましょう。業務フローの作成方法は、フローチャート、BPMN、UMLアクティビティ図など様々な手法がありますが、どれが適切か分からない場合はフローチャートを使うのがおすすめです。
さらに、手順書の作成、フォーマットの決定、台帳の作成などで標準化を進めることで、誰でも同じ品質で作業できるようになります。
なお、可視化と標準化は相互に連携し合っており、標準化されたプロセスは可視化しやすくなり、可視化された情報は標準化を促進します。これにより、問題点の早期発見や、的確な意思決定が可能になります。
両者を組み合わせることで、継続的な改善サイクル(PDCAサイクル)が確立され、組織全体の効率性と生産性が大幅に向上します。
業務の可視化・標準化にはkintoneがおすすめ
kintoneはノーコードでWebデータベース、ワークフロー、業務アプリケーションなどを作成できるツールです。(kintoneではこれらの用途に関わらず、作成したシステムはすべて「アプリ」と呼びます)
kintoneの製品コンセプトは、「情報を共有・見える化しながら業務改善を促進すること」なので、業務の可視化や標準化に役立つ機能が多数搭載されています。
「kintoneってどんな製品だろう?」と気になった方は、こちらのページをご覧ください。
はじめての方へ。キントーンとは
可視化が得意な理由
- ステータス管理で業務の進捗が見える
kintoneにはプロセス管理という機能があり、タスクのプロセスに沿った進捗管理ができます。ステータスは、「申請中」や「承認」に限らず自由に定義できます。例えば「作業中」「受付」など、タスクに合わせて柔軟に設定することが可能です。 - 進捗が視覚的にわかる
kintoneはグラフ化や集計もブラウザ上で簡単に行うことができます。複数タスクが同時進行している場合でも、グラフや表で全体の進捗を一目で把握できます。また一覧画面では、遅延している業務やイレギュラーなデータを見つけやすいといったメリットがあります。
標準化が得意な理由
- 統一されたフォーマットでデータを蓄積できる
kintoneでは、データはレコード単位で保存されます。データの入力フィールドには様々な制限をかけることができます。必要な入力項目をフォーマット化することで、人事や受け入れ先からの情報を確実に入力でき、情報の過不足を防止できます。
なおレコードの入力フィールドは、デフォルトで用意されているフィールドをドラッグ&ドロップで自由に配置できるため、データベースやプログラミングの知識がない人でも直観的に作成できます。 - ワークフローが簡単に作れる
kintoneのプロセス管理を使えば、ワークフローをノーコードで設計できます。例えばユーザー登録やアクセス権付与など承認が必要な業務プロセスでは、kintone上で作業手順の閲覧、設定内容の確認、申請フローまでを一気に行うことができます。
kintoneを使った新入社員受け入れ業務の効率化
サイボウズの情シスでは、kintoneを使って新入社員の受け入れ業務を効率的に行っています。実際のアプリ画面と合わせて、ご紹介します。
※2021年時点の情報のため、現在の状態とは異なる可能性があります。
a. 業務フローと各ステータスの見える化
サイボウズでの入退社/異動手続きに関する業務フローは、以下のように定義されています。
上の業務フローは、複数のkintoneアプリで構成されています。
新入社員の受け入れに関するこれらのタスクの進捗は、「情シス配属連絡アプリ」に集約され、1人につき1レコードで管理されています。一覧で見ると、各社員のステータスが一目で分かります。
b. 手順化
PCの初期セットアップやセキュリティ研修など、社員が入社後にやるべきタスクは、手順書とともに「オンボーディングアプリ」にまとまっています。このアプリには1人1レコードずつ登録されており、進捗管理も行っています。
サイボウズでは全社員がkintoneアカウントを持っているため、入社した社員は各自このアプリを見ながら必要な初期設定などを行い、社員自身がアプリ上で進捗を報告します。
c. フォーマット化
PCのセットアップに必要な情報は、「情シス配属連絡アプリ」に集約されています。人事や受け入れ担当者に確実に入れてほしい情報をフォーマット化することで、抜け漏れを防ぎます。
d. 適切な台帳管理
IT資産管理において、入退社による変更を即時に反映することは非常に重要です。サイボウズのIT資産台帳の詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▼グループウェアNEWS
IT資産台帳の管理に悩むすべての人へ!解決のための3つのヒント
なおサイボウズでは、入退社に伴うアカウントの変更漏れに即座に気づけるよう、アカウントの棚卸作業もkintoneを使って自動化しています。詳細は以下の記事をご覧ください。
▼developer network
kintoneとRPAでアカウント棚卸を自動化しよう!
他業務への展開
kintoneは業務の可視化と標準化に適したツールです。
全体のボリュームや進捗状況をリアルタイムで見ながら進めたい業務、できるだけ属人化を排除したい業務などは、まずkintoneで可視化と標準化を行うことでより戦略的にリソースを配分できます。例えば以下のような業務があてはまるでしょう。
※こちらも合わせてご覧ください。
▼グループウェアNEWS
繰り返すプロジェクト管理失敗への処方箋:どこから手を付ければ改善できるのか?
これらの取り組みは単なる効率化だけでなく、以下のような付加価値も生み出します。
- データに基づく意思決定の促進
- 組織の知識やノウハウの蓄積と共有
- 業務の透明性向上による部門間の相互理解の推進
結果として部門間連携の強化やリソース配分の最適化につながり、企業全体の競争力向上に貢献します。
ぜひkintoneを使って、様々な業務の効率化に取り組んでみてくださいね!
関連情報
サイボウズの情シスでのkintone活用法をもっと知りたい方は、ぜひオンデマンドセミナーもご覧ください。
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▼kintone製品サイト
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